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出会い 関わり合い 深め合い       

明星大学教育学部特任教授 樋口豊隆様

 

大野靖之さんとの出会いは10年前になります。音楽はもちろんのこと、自分を振り返られて「僕は人にありがとうを言えない人間になっていました。感謝の気持ちを忘れていたんですね」と率直に話す誠実な人柄に「ほれました」!

 

校長(東京都狛江市立狛江第一中学校)になった2013年4月にまず先生方に話したのは「大野さんを学校ライブに呼びたい!」でした。最初に来ていただいたライブの日。9月13日は狛江のお祭りの日で、「22歳のひとり言」が始まったとき、お祭りのお囃子の山車が近づいてきて、「なんでこの曲のときに」って、私は頭を抱えて「ハラハラどきどき」でした(笑)。でも大野さんは歌いながら、「お祭りには負けない」ってシャウトしたのは、さすがプロ!この日、169名の地域・保護者の皆様が参加してくださり、最初の学校ライブから大成功でした。以降、2019年3月退職するまで、毎年、学校ライブはもちろん、先生方の研修会、合唱祭での講評、特別支援学級1組の和太鼓演奏を見てくださり、私の退職の会や大学にもきてくださいました。

  

生徒たちと一緒に「ともに」という曲を作ってくださり、学校の70周年記念コンサートをしてくださったり、学校のみんなで「歌が残るように」のCDジャケット撮影に協力したりした(土日に撮影しているように見えますが、実はすべて授業中に撮影しています)、数限りない思い出がありますが、そのいくつかをご紹介します。 

 

ある年の卒業式のとき、お母さんが「うちの娘はあまり学校になじめなかったので、体育祭や合唱祭の案内など3年間一度も見せなかったのですが、大野さんの学校ライブだけは『お母さん、必ずきてね』とプリントを見せてくれたんですよ。大野さんのこと大好きだったみたいです」と話してくれました。この生徒の心に大野さんのメッセージが届いていたんだなと知って本当にうれしかった。屈託なく「やっくん」と声をかけ、体育館の壇上でパフォーマンスできる生徒もいます。でも、自尊感情をあまりもてないこんな生徒にこそ大野さんの歌を届けたかったのが私の思いでもありました。

 

こんな生徒もいます。「やっくんの学校ライブは1年生のときはただ楽しかった。でも2年生3年生になるにつれて、なぜか、だんだん歌詞の意味がわかるようになって、すごく考えるようになった」。生徒が自分の心の成長を大野さんの歌を通して感じることもできました。

 

退職の年はこんなことがありました。3年生の生徒会役員たちが校長室にきて、「校長先生、私たちも3年生の代で、やっくんの歌が聞きたいです。私たちの代だけ、やっくんのライブを見られないのはさびしいです」と話にきました。そのあと、3月の「3・11を忘れない全校集会」に大野さんをお招きしました。

 短い時間でしたが、生徒たちの限りある命を輝かせるメッセージを歌に託してくださった印象深い思い出です。

 

私の「大野さんを学校に招きたい」から始まり、最後は生徒たちの「やっくんを学校に招きたい」が実現しました。私が退職した後も「生徒会誕生70周年記念コンサート」を行っていただき、狛江一中生徒との交流は続いています。

そして!明星大学で大野さんのファンの学生たちに出会いました!

私も大野さんとの交流は続きます!

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2014年9月13日、控え室にて。

毎年、特別支援学級1組の生徒たちが、控室の飾りつけをしてくれました。

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